源氏物語玉の小櫛(現代語訳本居宣長選集 第4巻)
第4巻 源氏物語玉の小櫛 - 物のあわれ論
本居宣長が恋を語る。「人のこころの感ずること、恋にまさるはなし」
源氏物語を勧善懲悪や戒律の議論から解き放ち、その本質を「物のあわれ」 であると洞察した歴史的評論。源氏物語の入門書としても秀逸。 総論に当たる、第一巻、第二巻を収録。
2024年11月1日、電子書籍版刊行
目次
源氏物語玉の小櫛一の巻
- 【物語書の総論】
- 【この源氏の物語の作者】
- 【紫式部の事】
- 【執筆の動機】
- 【執筆の年代】
- 【この物語の題名の事】
- 【準拠】
- 【種々の事】
- 【注釈】
- 【引歌という物の事】
- 【湖月抄の事】
- 【大旨】
- 物語の書はどのように読まれていたか
- 蛍の巻に込められた式部の本意
- 物語に書かれている真実とは
- なぜ人は物語を書くのか
- 物語に書かれた「よきあしき」
- 仏説に基づいたこじつけの数々
- 物語の「よきあしき」と儒仏の「善悪」との違い
源氏物語玉の小櫛二の巻
- 【さらに大旨】
- 物のあわれを知るとはどういう事か
- 物のあわれを知らないとはどういう事か
- 物のあわれの様々な様相
- 仏の道は物のあわれを捨てる道
- 物のあわれを知った振りは嫌味な態度
- 物のあわれを知ると知らないとの微妙な違い
- この物語は世態人情に通じるための最上の書
- この物語に恋の話が多い訳
- 不義の行いで身を滅ぼした柏木の恋
- 物のあわれを知る人は説教臭くない
- はかなく漂う浮舟の恋
- 勧善懲悪や好色の戒めの書ではない
- 仏の道の道理を示したものではない
- 源氏外伝の主張はピント外れ
- 紫家七論は儒者心の産物
- 【種々の趣意】
- 源氏物語は傑出した作品
- この物語が長く詳しい訳
- 物語の中の歌を褒めない訳
- 学識をひけらかす事を嫌った紫式部
- 登場人物の多くが女々しい訳
- 昔の風習を理解しよう
- 当時の医薬の事
- 下流階級の事が書かれてない訳
- 源氏物語は歌詠み必携の書